読書ルーム
2002年10月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
火車 |
− |
宮部みゆき |
永遠の仔 |
− |
天童荒太 |
「火車」は、サラ金により家庭が崩壊し、姓名を捨て他人になって新たな人生を送ることをテーマとしています。そのために殺人まで犯してしまう。ローンの怖さは解っても手が出てしまう人間の弱さが伝わってきます。 「永遠の仔」は、家庭特に親のエゴで子供に何らかの精神的ダメージを与えられた子供3人が、自分たちの人生を自分達の力で切り開いていこうとする物語。子供は親子人の所有物ではないということを改めて考えさせられます。
2002年9月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
夏草の記憶 |
Breakheart Hill |
トマス・H・クック |
幻の女 |
Phantom Lady |
ウイリアム・アッシュ |
テロリストのパラソル |
− |
藤原伊織 |
「夏草の記憶」ハイスクール時代の初恋の相手方を回想するうちに、ブレイクハートヒルで殺された真相を探り出す。ストーリーとしては、面白いのですが、ちょっと読みにくい小説でした。
「幻の女」は、1964年に発表された小説ですが、古さは全く感じさせません。妻殺しの嫌疑をかけられ死刑宣告を受けた主人公が、自分のアリバイを証明してくれる女をいかにして探し出せるのか。最後まで結末がわかりません。
「テロリストのパラソル」は、爆弾テロに遭遇した主人公が、事件に巻き込まれていくという巻き込まれ型のストーリー展開です。
平成7年度の江戸川乱歩賞及び平成8年度直木賞受賞作
2002年7月に本棚に並んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
奪取 |
− |
真保裕一 |
照柿 |
− |
高村薫 |
顔に降りかかる雨 |
− |
桐野夏生 |
2002年6月に本棚に並んだ本
2002年6月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
秘密 |
− |
東野圭吾 |
砂のクロニクル |
− |
船戸与一 |
不夜城 |
− |
馳星周 |
「秘密」は、広末涼子主演で映画化もされていますが、交通事故で死んだ妻の魂が子供の体に乗り移るという、一見陳腐なテーマを扱っていますが、夫の心理を見事に描いていると思いました。
読み終えたときに、不覚にも号泣してしまいました。娘がどうしたのと聞くもんだから。 「砂のクロニクル」は、中東を舞台に日本人武器商人とクルド人革命を絡ませた冒険小説。アフガン戦争前の微妙な中東情勢が描かれています。民族と宗教の壁は永遠に取り払われないものなのでしょうか。
91年度日本冒険小説協会大賞受賞 「不夜城」は、金城武主演で映画化されました。新宿歌舞伎町を舞台に中国人同士の抗争が描かれています。これだから歌舞伎町は怖いと思わされてしまいます。
96年度日本冒険小説協会大賞受賞 2002年4月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
ホワイトアウト |
- |
真保裕一 |
織田裕二主演でヒットした映画の原作ですが、原作以上に冒険心を掻き立ててくれる作品です。アクション場面もいいですが、山男を描いた作品に共通している男の友情についても泣かせてくれます。
このミス1位(95)
2002年3月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
汚れた守護天使 |
Bucket Nut |
リザ・コディ |
ホワイトアウト |
- |
真保裕一 |
女子の悪役プロレスラーが主人公という今までに無い作風です。リングの上では悪役ですが、正義感と人情味がある主人公です。
92年度シルバー・ダガー賞受賞
織田裕二主演でヒットした映画の原作ですが、原作以上に冒険心を掻き立ててくれる作品です。アクション場面もいいですが、山男を描いた作品に共通している男の友情についても泣かせてくれます。
このミス1位(95)
2002年2月に本棚に並んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
フリッカー、あるいは映画の魔 |
Flicker |
セオドア・ローザック |
テロリストのパラソル |
− |
藤原伊織 |
果つる底なき |
− |
池井戸潤 |
砂のクロニクル |
− |
船戸与一 |
女彫刻家 |
The Sculptress |
ミネット・ウォルターズ |
2002年2月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
OUT |
− |
桐野夏生 |
鉄の枷 |
The
Scold's Bridle |
ミネット・ウォルターズ |
モンキー・パズル |
Monkey
Puzzle |
ポーラ・ゴズリング |
「OUT」は、友人の夫殺し後の相談に乗った主婦が、その後人生を外していくという物語。死体の処理については、寒気がしてきます。
97年度このミス1位 「鉄の枷」は、老婦人が、自殺と見せかけられて殺され、その遺産が主人公である町の女医に取得させるという遺言があったことにより、死亡した人物をめぐる複雑な人間関係が浮き彫りになってくる。
94年度ゴールドダガー賞受賞 「モンキー・パズル」は、真冬の大学を舞台にして教授に対して凶行が行われていく。誰が何のために、過去に出会いがあった女教授と刑事がその謎に挑む。
85年度ゴールドダガー賞受賞
2002年1月に本棚に並んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
催眠 |
− |
松岡圭祐 |
幻の女 |
Phantom Lady |
ウィリアム・アッシュ |
リンドバーグ・デッドライン |
Stolen Away |
マックス・アラン・コリンズ |
ホワイトアウト |
− |
真保裕一 |
2002年1月に読んだ本
書
名 |
原
題 |
作
者 |
狩りのとき |
Time
to Hunt |
スティーヴン・ハンター |
密輸 |
Driving
Force |
ディック・フランシス |
グリッツ |
Glitz |
エルモア・レナード |
破線のマリス |
− |
野沢尚 |
逃げるアヒル |
A Running Duck |
ポーラ・ゴズリング |
シロへの長い道 |
A Long Way to Shiloh |
ライオネル・デヴィットソン |
「狩りのとき」は、ベトナム戦争当時の凄腕スナイパー、ボブ・リー・スワガーシリーズのもので、スピード感のある展開で読ませます。
99年度の日本冒険小説大賞受賞 「密輸」は、馬運車にヒッチハイカーを乗せたことからおこる馬運車経営者に襲う一連の事件。勝負に勝つための手段を選ばないという人間のあさましさというのは、ほんとに嫌なものです。 「グリッツ」は、撃たれて療養中の刑事が、療養先のプエリトリコで事件に巻き込まれるという話ですが、以前逮捕した異常者に命を狙われるという伏線も絡み合って、独特の小説の世界となっています。 「破線のマリス」は、テレビでの報道のあり方を問いかけるもので、編集者の編集如何で視聴者の受け取り方が変わり、映像に登場した人間も変えてしまうという物語。黒木瞳と陣内孝則で映画化もされています。 「逃げるアヒル」は、普通のOLが殺し屋を目撃した事から、護衛についた刑事と逃避行に出るスピード感のあるストーリーです。スタローン主演の「コブラ」の原作らしいようです。
78年度ジョン・クリーシー賞受賞 「シロへの長い道」は、ユダヤ教の聖なる燭台メノーラのありかを示す古文書が発見され発掘をめぐって考古学者が活躍する物語。どうも、インディー・ジョーンズと同じシチュエーションです。
66年ゴールドダガー賞受賞
|