ストックオプションとは、業績(株価)連動型インセンティブ報酬の一つであり、会社が自己の株式をあらかじめ定めた価格(権利行使価格)で一定期間(権利行使期間)内に購入できる権利を付与することです。付与された者にとっては、権利行使価格より株価が上昇している場合には権利を行使し、自社株を取得し売却することによってキャピタルゲインを得ることができます。
今回、平成14年4月から施行される改正商法に伴い、税制面でも改正が行われることになりました。
改正商法では、付与対象者制限(自社の取締役と使用人のみ)と、付与対象枠(発行済み株式総数の10%以内)が撤廃されており、この趣旨を生かすためには税制の改正が必要でした。
今回の税法改正では、
@適格対象者
自社の役職員のみではなく自社及び50%超グループ会社の役職員に拡大
A権利行使価格限度額
従来の年間1,000万円から1,200万円に拡大
されることになりました。
税制適格ストックオプションは、株式売却時まで課税が繰延べられまた株式譲渡所得課税となりますが、上記の条件に該当しない場合には、現行税制では権利行使時(株式購入時でなんらキャッシュは増加していない)に給与所得として課税されてしいますので、その利用については十分注意が必要です。
なお、現在ストックオプションを巡っては、課税当局と係争中の案件が出ています。すなわち、税制適格外のストックオプションで、親会社の株式を付与されている場合に、多額のストックオプションの権利行使をした時の所得は、果たして給与所得といえるのかどうかということです。これは、一時所得ではないかということで争われているのですが、一時所得と給与所得では税額が大きく変わるためです。今後が注目されるところです。
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